GLOSSARY

用語集

黄金比

読み方
おうごんひ

黄金比とは

黄金比(おうごんひ)とは、数学や芸術、建築、そしてデザインの分野で広く用いられている特別な数値比のことです。

この比率はおおよそ1:1.618で、人間が最も美しいと感じる比率といわれています。古代ギリシャでは「神聖な比率」と称され、多くの芸術作品や建築物に取り入れられてきました。

黄金比の数学的な定義

黄金比はΦ(ファイ)と表記され、具体的には以下のように定義されます。直線を二つの部分に分割し、その全体の長さと長い部分の長さの比が、長い部分の長さと短い部分の長さの比に等しい場合、その比率を黄金比と呼びます。この等式を式で表すと、次のようになります。

  1. 全体の長さ = a + b
  2. 長い部分の長さ = a
  3. 短い部分の長さ = b
  4. a / b = (a + b) / a

この等式を解くと、a/b = (1 + √5) / 2 ≈ 1.618という値が得られます。この数値は無理数であり、無限に続く非循環小数です。

Webデザインにおける黄金比の応用

Webデザインにおいても、美しくバランスの取れたデザインを構築するために、ページレイアウト、タイポグラフィ、画像配置などで黄金比が活用されています。

Webページのヘッダーと本文の幅、またはカラムの幅を黄金比に従って調整することで、自然と調和の取れたデザインができます。

レイアウトのバランスと調和

カラムベースのレイアウトまたはグリッドシステムで黄金比を使用することが一般的です。

例えば、ページ全体の幅を1000ピクセルとした場合、その幅を二つのカラムに分けると、618ピクセルの主カラムと残り382ピクセルのサイドカラムとなり、自然なバランスが生まれます。

その他には、以下のような方法で黄金比をレイアウトに取り入れることができます。

  • コンテンツエリアとナビゲーションエリアの比
  • テキストブロックと空白の比
  • 画像とキャプションの比

このように、黄金比を利用することで、ユーザーにとって見やすく、読むのが楽なデザインを構築できます。

タイポグラフィと黄金比

黄金比はタイポグラフィにおいても大いに役立ちます。文字のサイズ、行間、マージンなどを黄金比に基づいて設定することで、画面上のテキストがより一体感を持ち、視覚的に心地良い印象を与えることができます。

文字サイズと行間の調整

文字サイズと行間を黄金比で設定する方法は、非常に効果的です。

具体的には、基本の文字サイズを設定し、それに1.618を掛けた値を行間として設定します。例えば、基本の文字サイズを16ピクセルとすると、行間は約26ピクセルになります。この調整により、文字が詰まった感じがなくなり、読みやすさが向上します。

マージンとパディングの黄金比

同様に、マージンとパディングを黄金比に基づいて設定することもできます。

セクション間のマージンを黄金比で設定すると、各セクションが適度に分かれ、視覚的なストレスが軽減されます。また、パディングを黄金比で設定することで、コンテンツがより際立ちます。

具体的なWebデザインの事例

実際のWebデザインにおける黄金比の適用事例を紹介します。

Appleのオフィシャルサイトでは、製品画像やテキストブロックの配置が黄金比に近い比率で配置されています。また、Pinterestなどのビジュアル系サイトでは、フォトグリッドの配置に黄金比が活用されています。

Appleのサイト

Appleのサイトは、直線的かつシンプルなデザインでありながら、黄金比を用いることで緻密に計算されたレイアウトが特徴です。製品の画像からナビゲーションバーの配置まで、黄金比が美しく適用されています。

Pinterestのフォトグリッド

Pinterestでは、写真がグリッド形式で配置されており、その配置に黄金比が取り入れられています。同じ幅のカラムでも、あるカラムの写真の高さが他のカラムの写真の高さと黄金比になっていることが多いです。これにより、ユーザーは視覚的に心地良い体験を得ることができます。

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